■固体被膜潤滑剤の老舗メーカーT社ってどんな会社?
T社の創業は、明治44年。第一次世界大戦のため、手に入らなくなってしまった舶来品の「靴墨」を、知人に頼まれて研究して販売したことが始まり。当初は「便利屋」としてスタートし、第二次世界大戦中は、金の鍛錬技術を自ら確立。戦後の食糧難の時は、長期航海に出る船乗りが栄養補給できるよう大豆の製粉化に取り組み、「粉砕技術」を軸に必要に応じて様々な製品を取り扱ってきました。金の製造過程で、二酸化モリブデンの潤滑剤としての優れた特性を大きく高めることに成功。昭和25年頃からは事業の柱を固体被膜潤滑剤に移行。現在は世界的なトップメーカーとして、大きなシェアを誇っています。

■固体被膜潤滑剤は、ありとあらゆるシーンで活躍しています
T社が開発している固体被膜潤滑剤は、私たちの目には見えない部分で活躍していますが、固体被膜潤滑剤が支える技術に誰もが一日を過ごす中で、便利を感じているのです。あらゆる動くもの(機械部品)には摩擦が生じます。その摩擦から機械部品を守るためには、摩擦を軽減し、滑らかに動かすための「潤滑剤」が必要不可欠。潤滑剤としてグリスや油が主ですが、それでが通用しない高面圧・高温・超低温・真空など過酷な状況では、T社の固体被膜潤滑剤が出番。部品の表面に塗布することにより、潤滑機能を発揮。自動車や電車、カメラ、家電、プラント、発電所など、ありとあらゆる製品の耐久性向上に貢献しています。

■新技術の開発に貢献。「難しい仕事」こそが、T社の腕の見せ所です
T社の仕事を例えるならば、市販薬では治らない病気を治すために処方薬を配合する医師。顧客企業の開発担当者が問題解決できず「困った」時にT社に駆け込む。そして、T社の腕の見せ所技術者が直接、患者である顧客企業の抱える問題を聞き出し、処方箋の開発に着手。配合を繰り返し、問題解決に向かい全力で取り組む。感謝されることも多く、そこで培った信頼が次の仕事へと繋がるため、T社には営業部は存在しないのです。その技術力の評価から、航空宇宙研究所から声がかかり、HIIロケットの開発に固体被膜潤滑剤が採用されました。小惑星探査機「はやぶさ」にもT社の固体被膜潤滑剤が採用され、日本の宇宙開発を陰ながら支えているのです。

■抜群の定着率30年間、退職した社員がいません
「30年間退職した社員がいない」と言う、驚きの定着率を誇るT社。組織は縦割りではなくフラットで管理職やリーダーは存在しない。化学出身者も入れば、機械や電気に詳しい技術者もいる。互いの知恵を出し合い、配合と試験を繰り返して難題をクリアして新技術の誕生を支えているT社。互いを尊重し合う抜群のチームワークこそが、この定着率へと繋がっているのです。日進月歩で進化するテクノロジー。衰退していく産業もあれば、新しく生まれる技術もある。その中でも、川上にある潤滑の仕事がなくなることはない。だからこそ、経験ある技術者が、いつどの時代でも必要とされる。技術者が誇りを持って輝き続けることができるのです。

【勤務地】
本社(東京都目黒区)

【給与】
【月給】大卒220,000円~、高専卒210,000円~、高卒200,000円~

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